フランスの軍服と言えば長い歴史をたどっており、それぞれの時代に様々な特徴があります。
それならばフランス革命の後に起こったナポレオン戦争ではどのような軍服、そしてズボンが使われていたのでしょうか。
ここではフランス革命の流れに従って、ナポレオンが選んだズボンについて解説します。
フランス軍の制服
ナポレオンが率いたフランス軍は、帽子屋装備には若干の変化を加えていましたが、服装は1786年のルイ18世の時代に使われていた軍服が利用されていました。
つまり、ナポレオンは戦略等に関してはとても革新的だったのですが、洋服に関しては保守的だったと考えられるのです。
そしてこの時のズボンはフランス革命の時に使われていたキュロットに戻っされました。
キュロットと言えばアンシャンレジームとみなされていたサンキュロットの人たちが着ていたものですね。
つまり、服装は旧態依然のものだったと考えられるのです。
サンキュロットとは
それならば、フランス革命の時に活躍したサンキュロットとはどのような人たちだったのでしょうか。
彼らが使っていたズボンこそ、今のキュロットスカートの元気になります。
もともとズボンだったのが今や女性が着るスカートになったというのは面白いですよね。
これはフランス革命を推進した社会階層になります。
主に無産市民、つまり固定資産のない人々を指しており、当時の貧困層に属する人々を指しているのです。
キュロットというのは半ズボンを指しており、当時の貴族たちはこのキュロットを一般的なズボンとして使っていました。
そして長ズボンを履いていた庶民たちを貴族たちがバカにしてサンキュロット、つまり「キュロットをはかない人」と呼ぶようになったのです。
これに対して労働者たちは身分制度に対する皮肉を込め、そして自分たちに誇りを込めて使うようになったのです。
古い身分制度の象徴
サンキュロット達、つまり半ズボンをはかない貧困層の人々はパンの価格の高騰などに苦しんでいました。
そのため彼らはフランス革命を歓迎することになったのです。
バスティーユ牢獄を襲撃し、9月虐殺を行い、血なまぐさい騒ぎが次々と起こりましたが、これらはサンキュロットによって行われたものなのです。
そしてこの勢いがフランス革命を進めていきましたが、ナポレオン戦争の時、ナポレオンはこのキュロットを彼らのズボンとして用りました。
つまり、ナポレオンは古い身分制度を象徴していたズボンを軍服として用いたのです。
まとめ
いかがでしょうか。
ナポレオンの時代はフランス革命とは何の関係もないと思う人もいるかもしれません。
しかしナポレオンは確かに革新的な戦略などを用いていたにもかかわらず、軍服に関しては保守的であり、ズボンに関してはキュロットを使っていたのです。